ぬっこぬこの物語

僕と僕の猫の物語

猫はずっと6階の廊下にたたずんでいた

気になって覗いてみても誰かが探しに来る気配はない

 

「まだいるよ」

 

しばらく時間が経ったあと、

猫はお腹が空いていると思って

僕は家にあった鰹節パックを新聞紙の上に開けた

 

そして、その新聞紙を両手で

猫のところまで持って行く

 

途中、鰹節が少し風で飛ばされたけれど

そんなことは気にもせず、僕は廊下にたどり着くと

猫はまた僕を見つめていたが、さっきと少し様子が違う

 

鼻がピクピクと動いていた

弐:

「お母さん、家の前に猫がいるよ。」

僕は家に帰って、お母さんに報告した

 

「マンションの前に?」

「6階の家の前に」

 

結局、その猫がどうやって僕の家の前までたどり着いたのか

未だに分からない

 

でも、それが僕と僕の猫との出会いだった

僕の猫の物語

あるマンションの6階に住んでいた頃

その猫は突然、僕の前に現れた

 

もう家にたどり着く寸前、

マンションのエレベーターの⑥のボタンを押し

いつもと変わりない日常を過ごしていた時

 

エレベーターから出たら、その猫は僕の顔をじっと見つめて、たたずんでいた

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